2022年(令和4年) 1月 法話

令和4年 迎 春  

今日(きょう)も また
光(ひかり)輝(かがや)く み仏(ほとけ)の 
お顔(かお)おがみて
うれし なつかし 
   

             瑞劔法師



      淨教寺 ご本尊 阿弥陀如来立像


みなさま穏やかな新年をお迎えでしょうか。
本年もどうぞよろしくお願い致します。

今日という日を迎えることのありがたさ。
そして、阿弥陀さまのご尊顔を拝して合掌礼拝出来る事は、何にも勝る幸せではないでしょうか?
瑞劔法師のお言葉に

◎摂取光中(せっしゅこうちゅう) 弥陀(みだ)のふところ

◎見(み)てござる
   護(まも)ってござる
     待(ま)ってござる

と、あります。

普段の朝の慌ただしさの中でも、何気ない時でも、うれしい時でも、悲しみの中でも、お仕事の最中でも、ホッとしている時でも、いつでも、どこでも、どんな時でも阿弥陀さまはご一緒に私を包み込んで見護ってくださっています。

「光輝く」とは、「どんな人であろうとも分け隔てなく」ということでしょう。むしろ、阿弥陀さまの眼からご覧になったら、人間だけでなくて、ありとあらゆる「いのち」を見つめておられるのでしょう。
太陽の光がそうであるように!

そのおこころを受け止めることができた時「うれし なつかし」と、「もったいない、有り難いことであるな。南無阿弥陀仏、南無阿弥陀仏」と、感謝、御礼のお念仏が自然と口からこぼれるのでありましょう。



               葉 牡 丹


                葉 牡 丹



怨(うら)みと苦(くる)しみは 欲(よく)があるからだ 

               瑞劔法師

年末に悲しい事件、(大阪でのクリニック放火事件)、お知らせ(神田沙也加さんの死亡)がありました。
どちらも自分の意思を上手く相手に伝えられなかったのではないか?と思います。

クリニック放火事件では逆怨みという形の放火で25人もの尊い命が奪われました。
神田沙也加さんも胸の内の苦しみを周りに伝えられず、自死という形で命を絶たれました。

「欲望」をコントロールする事が、仏教の大きな目的でもあります。
また、自分の欲望は言葉を通して相手に正しく伝えないと自らのストレスとなり、それが高じて「怨み」となり、「苦しみ」となります。

そのためには、言葉を伝える訓練をする必要があります。
それは、読む事であり、書く事であり、話す事であります。

言葉は、言い足りなければ伝わりません。また、言い過ぎると仲違(なかたが)いのもとです。

正しく自分の気持ちを伝える事は大切な事です。相手の気持ちも確認しながら、お互いの言葉を紡ぎあっていく中に、「怨みや苦しみ」を生み出す事なく穏やかな日々が過ごせるのではないでしょうか。

その事を1番に考え配慮されて書かれたお書物が、親鸞聖人の『教行信証』です。
私の生まれてきた意味。生きる目的。命終えたらどうなるか?という「死の解決」「生死出づべき道」の答えを導き出してくださるものです。本願寺出版社から現代語訳も出版されています。ぜひ少しずつでも読まれることをお勧めいたします。



     葉っぱのフレディ (最後の一葉)


              快晴の冬空